とさでいず

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Ryze Tech Telloの写真表現に挑戦 パノラマを楽しむ

こんにちは、Hiroです。

人気のトイドローンRyze Tech「Tello」。

最近になって、予備のバッテリーも安定して手に入るようになってきました。

 

Telloでも動画撮影や写真撮影を考えた際には、バッテリーの予備はあったほうが良いので、これから購入される方は予備バッテリーも一緒に購入されることをオススメします。

 

さて、今回はTelloによる写真表現を考えてみたいと思います。

Telloは写真撮影が可能といっても、スマートフォンサイズのセンサーで、画素数も500万画素クラス。

ブレ対策も物理的なジンバルを装備されていないので、記録用の写真ならともかく、「迫力のある空撮写真や人を感動させる写真は撮れない」とはじめから諦めている方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、Telloでもほんの少し工夫することで、そこらのコンデジと同程度なら写真表現も可能なんです。

 

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Telloを使って写真を楽しむためのヒント

ただドローンを高く上げれば良いわけじゃない

Telloに限ったことではありませんが、写真の表現は自由です。

ドローンであるということにこだわって、無理に高度を上げるだけでは面白い写真を撮ることができません。

はじめてのドローンを購入したばかりだったりすると、最初は嬉しくて、ついつい高度を限界まで上げて撮影してしまいがちですが、だんだんとマンネリ化してきます。

そんなときは、普段からカメラを手に持って撮影するときのように、どのような高さから、どういったものを画面に入れると面白いかなどを考えて、撮影するようにしましょう。

 

Telloのカメラに搭載されているレンズはワイド(広角)レンズです。

一眼レフでもそうですが、画面の中でターゲット(被写体)をある程度は絞り込むことができる望遠レンズや標準レンズと比べ、ワイド(広角)レンズでの撮影表現は難しいものです。

 

 

完成写真を想像して撮影する

もし、何も考えずに10mの高さにTelloを飛ばして撮影した場合、「何を撮影したいのか」分からないパッとしない写真になりやすいと思います。

 

一眼レフのワイド(広角)撮影時に気をつけることと同じように、近景と遠景に入れる被写体を意識して立体感を表現したり、ワイドレンズの特性を利用し広がりを活かした絵を撮影したり、写真を鑑賞する人の視線の導入を意識すると、より撮影を楽しむことができるはずです。

 

必要に応じてレタッチも行う

「どんな写真を撮りたいのか」、「見る人に対してどういった画像を見せたいのか」を意識して撮影し、それに応じた撮影を行うことが写真を楽しむ秘訣です。

TelloはJPEGでの保存しかできませんし、ホワイトバランスの設定などを行うことはできません。

しかし、簡単な露出補正には対応しています。

できる機能を最大限に生かして自分のイメージに近い画像を作る(クリエイト)することを考えましょう。

あくまでTelloが撮影するのは素材であると考えましょう。

一部のカメラ好きの方には「JPEG撮って出しが最高」「レタッチはNG」という考え方を持っている方も多くいらっしゃるようです。

その方がどう考えるかは自由ですので、そこはおまかせしたいと思いますが、カメラの機能では表現できない部分は自分の手で再現するのは悪いことではないはずです。

フィルム時代も覆い焼きや焼き込みといった、プリント時の表現方法もありましたし、プロの写真家がプロラボでスタッフに色の再現を指定・依頼し、より自分の表現に近づけることは日常的なことでした。

現在はそれを自分自身で行えると思えばよいだけのことです。

 

さまざまな表現を模索する

最近のスマホやカメラにはパノラマ撮影機能がついていたり、多重露光を楽しんだり、比較明合成が可能だったり、いろいろな写真を楽しめる事が多いです。

必要に応じて色々な表現を楽しみましょう。

Telloで撮影した写真と、スマートフォンで撮影した写真とセットにして組写真にしても良いですし、数枚の写真を撮影して合成しても面白い。

少しずつアングルを変えて撮影し、パノラマ写真を作るという方法もあります。

 

 

複数の写真を合成しパノラマ表現を行う

今回は表現の1例として、Telloの撮影した写真を利用しパノラマ写真を作ってみます。

価格も10万円以上するDJIの本格的なドローン、例えばMavicAirなら標準でパノラマ撮影機能やインターバル撮影機能が装備されていますが、Telloは露出補正以外の機能がないため、アナログに撮影して合成する必要があります。

Telloにはチルト機能(カメラを上下に動かす機能)はありませんので、あくまでコンデジを0mから10mまで上下左右にのみ自由に動かせるカメラと想定して撮影しましょう。

あなたが実際にカメラを三脚に装備して撮影する際には、最も絵になる高さに三脚のエレベーター(高さ)をあわせる筈です。

ドローンだからといって、必ずしも最大高度まで上げる必要はないので、落ち着いて絵になる高さとアングルを設定しましょう。

 

 

実際の撮影

実際にTelloで撮影した写真を縮小したのが、下の4枚の写真です。

 

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まずは撮影する位置を決めてTelloアングルを決めて、1枚テスト撮影。

完成イメージは地上の質感を残したかったので、EV(露出補正)を+1しています。

 

機体の位置を決めたらドローンはその場でホバリングさせ、ラダー(機体の回転)操作だけを行いながら、完成させる写真イメージの右端から左端までを数枚撮影します。

このとき、1枚目と2枚目の間は風景が50%くらいは重なった状態にしておくのがコツです。

風があまりない状態であれば、Telloのビジョンポジショニングシステムを使ったホバリング性能は本当に秀逸で、GPS機に勝るとも劣らない安定性能を誇ります。

これがパノラマ撮影時にも有効に働いてくれている印象。

一昔前のトイドローンや高度の制御機能がないホビードローンでは、常時スロットルの開度を調整しながらマニュアル操作で高度を保っていました。それに比べるとTelloは格段に簡単に定位置から写真を撮影することができます。

 

注意点としては、風が強い日にはどうしても機体が流されホバリングが安定しませんので、パノラマ用の定点撮影には不向きです。

また、無風状態であっても高く上げすぎたり、地表が認識できない状態(暗い、鏡面・広範囲が単色など)だったりすると、ビジョンポジショニングシステムは無効になり、手動で位置をキープする必要があるため注意が必要となります。

多くの方のレビューによると、Telloのビジョンポジショニングシステム有効高度は約20m前後のようです。

これは社外アプリやプログラムで、10mの高度制限を解除していなければ通常問題ないという意味ではありません。

この時の高度はフライトを開始した位置を0mとしてではなく、地表との距離になるので、山の斜面や高台からフライトさせた場合、スマートフォンに表示される高度は参考にならないのでご注意ください。

 

下は実際に撮影しているときのFPV動画です。

 

 

 フライトが終了したら、写真をスマートフォンからPCに転送。

 その後はソフトを使って、パノラマ合成を行います。

 

PCでパノラマ合成を行う

写真好きの方はPhotoshopを使用されている方が多いので、今回はPhotoshopに付属している機能「Photomerge」を使用します。

 

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「ファイル」項目から「自動処理」 を開き「Photomerge」を選択します。

 

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「参照」から素材となるファイルを選んだらレイアウト方法を選択し、「OK」を押します。

通常のパノラマなら「自動」で大丈夫です。

 

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このような形で合成された画像が開きます。

まずはここで保存。

保管された部分を除き空白のピクセルが存在しますので、必要に応じて歪みを手動で補正したり、最適なサイズでトリミングを行います。

その後はホワイトバランスやヒストグラム、シャープネス、ノイズ除去などを適用して画像を完成させます。

 

 

きっちり仕上げたい時はマスクを設定し、明暗部に分けてホワイトバランスやノイズ除去を設定したりもしますが、面倒なときは「Photomerge」で合成後、トリミングしては「Lightroom」に読み込みで仕上げることも多いです。

Telloでの写真はRAWデータではないので、シャドウ部を上げたり、空の白飛びした部分を回復させたりできる幅は少ないため、撮影時にEV設定でどちらを優先するかを考えて撮影しておくことがキモになります。

 

ちなみに私の場合、日常的な写真の現像&整理のため、Adobeの「Lightroom」と「Photoshop」を契約しているので、パノラマ合成には「Photoshop」の「Photomerge」を使用しました。

しかし、Telloを楽しむためだけにAdobeのクリエイティブクラウドに申し込むのは厳しいと思われる方は、マイクロソフトからパノラマ合成ソフト「Image Composite Editor 」がフリーソフトで提供されていますので、興味を持った方はこちらでチャレンジしてみてください。

 合成後のレタッチ作業もフリーソフトの「Gimp」などを使用すれば、無料である程度のことは可能です。
 

 

 

 

 

 

 

Telloで撮影したパノラマ写真の完成

 

500px.comのHiro Moriokaさんによるshimanto river

 

 

こちらが実際にTelloで撮影し、パノラマ合成後にレタッチを加えたものです。

 

試験的に海外のプロやハイアマチュアの写真家も多く利用する写真SNS、

「500px」の「Aerial」カテゴリーで投稿してみました。

画像はリンク先の500pxサイトで確認すれば、大きなサイズで閲覧できます。

 

500pxでは写真の投稿から24時間の閲覧ユーザーのレスポンス(コメントやお気に入り登録など)で、写真を評価するシステムを採用しています。

投稿すると、まず新着(fresh)に表示され、閲覧したユーザーがレスポンスを入れると評価のレーティングが上がっていきます。

そして、70ポイント以上で注目(upcoming)カテゴリに掲載され、更に80以上で、人気(popular)カテゴリに掲載。

高得点になるほど、1レスポンスで加算されるポイントは小さくなり、90点以上になると1、2名のお気に入りではほとんどポイントが上がらない状態になます。

最終的な最高得点は99.9。

ランドスケープ(風景)など人気カテゴリーでは99点クラスでなければトップ画面の表示は難しいですが、カテゴリーによっては98前後のレーティングになるとトップに表示されることもあります。

500pxでもブログと同様にフォロワーが多かったり、フォロワーが少ない相手にコメントやイイネをつける営業活動も可能ですが、私はそれをやると作品の人気指標にならないため行っておりません。

 

この写真「shimanto river」は最終的に下のようになりました。

500pxカテゴリー:Aerial 
パルス(評価):「89.5」(2018年5月25日)「popular」
 

今回の写真は素材がTelloでの写真だけに、解像度や画質自体はそれなりではありますが、そこそこの得点を収めており、写真の評価は必ずしもイメージセンサーのサイズやカメラの性能だけではないことを証明できたとも言えるでしょう。

 

 

 

 Telloで撮影したパノラマ写真たち

 上で紹介した四万十川の写真以外にも、いくつかパノラマ写真を制作して500pxにアップしていますので、一緒に紹介します。

 

 
 四万十川の鉄橋
幡多十景の紹介でも使用した四万十川の赤鉄橋のパノラマ写真。
左奥の山に夕陽が沈んだ直後の写真です。
サイクリングロードで奥行き感と視線の誘導を狙います。
 
500pxカテゴリー:Aerial 
パルス(評価):「89.5」(2018年5月25日)「popular」
 

 

 

 

 

鹿島ヶ浦(かしまがうら)

こちらも幡多十景の紹介で使用した「鹿島ヶ浦」のパノラマ写真です。

今回アップした3枚のパノラマ写真の中で、もっともレーティングが高かった一枚です。

500pxカテゴリー:Aerial 
パルス(評価):「90.9」(2018年5月25日)「popular」

 

 

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

Telloで撮影した写真を使って制作した3枚のパノラマ写真。

500pxにアップし、全てpopular(人気)に入ることもできました。

 

パノラマ合成やレタッチは行っているものの、元画像の素材は実際にトイドローンのTelloで撮影した写真です。

「Tello」なかなか侮れませんね。

ちなみに私は500pxの人気作家でもなく、現実でもプロ写真家はないのでフォロワーは50人程度しかなく、身内(ファン)の票はありません。

ですので、きちんと撮影して仕上げれば、きっと誰でもそこそこの評価を得られるはずです。

 

もちろん、フェイスブックやInstagramなどの一般的なSNS、ブログ以外にも全紙やA3などの大判プリントを考えないのであれば、十分に楽しむことができますよ。

 

興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

それでは。