こんにちは、Hiroです。
先日、導入してみたRyze Techのトイドローン「Tello」。
1万円台前半で購入でき、規制対象外となる200g以下のトイドローンながら500万画素のカメラを搭載しており、写真(静止画JPEG)と720pのHD動画を撮影することが可能です。
動画の画質については、スマートフォンの機種によってWi-Fiの受信感度も異なり、トイドローンとして画質はそこそこですが、コマ飛びなどもあって動画作品を作るにはイマイチといったレビューが見られます。
では、写真(静止画)はどうかというと、こちらは多くのレビューブログなどで「悪くない」「なかなか良い」という情報が見られます。
私自身は写真好きですので、購入前から写真の画質は気になっていました。
ということで、今回はTello写真画質についてレビューしてみたいと思います。
Telloの写真スペックや画質は
Telloは機体の前面に固定式のカメラを備えており、そのカメラで動画と静止画を撮影できます。
写真の画像サイズは2592×1936(72dpi)。
L版やKG(はがき)サイズであれば、十分にプリントできる画質です。
画像形式はJPEGのみで、未圧縮のTIFFやRAWはサポートしていません。
このあたりはあくまでトイドローンですので、スマホやコンデジ普及機と同じですね。
実際に撮影したJPEGをadobe Lightroomで表示した際のExifを確認してみましょう。
Lightroomで表示したExifの内容は上記のようになっています。
画角はレンズが1.98mmということで分かりにくいと思いますが、
画角が82.6度というデータがありますので、
35mmで換算すると24mm前後の単焦点ワイドレンズに相当します。
絞りについてはF2.2で固定ですが、センサーサイズが小さく画角がワイドなので、ほぼパンフォーカスで記録されます。
デメリットとしては固定カメラであるためフレーミング(構図)の自由度が低いことや、機体の傾きが写真にそのまま反映されてしまうこと、セルフタイマー機能がないことなどがあります。
とはいえ、1万円台前半クラスで軽量・コンパクトなトイドローンのなかでは、十分優れた性能です。
撮影の操作は、アプリ操作画面右上の◎アイコンがシャッター、
右から2番目のカメラのシルエットが動画と静止画の切り替え、
3つ目が保存した画像や動画の再生となります。
晴れた風のない日であれば、トイドローンとして考えると、かなりキレイな写真が撮影できます。
移動式三脚のコンデジと考えて、セルフィー(自撮り)に使用することもできますね。
通常は最大10mまでの高さまでしかフライトできない設定になっており、空撮画像は少し迫力にかけるとも言えますが、これはちょっとした裏技で解除することも可能です。
ただし、あくまでも80g程度のトイドローンであるため、あまり上げすぎてビジョンセンサーが使えなくなると、風に流されてしまいますので注意が必要です。
また、Wi-Fiでの通信可能範囲が思ったより狭く、20〜30m程度離すと警告が出ることが多いことから、屋外で利用するなら無風か微風状態がおすすめです。
こちらは風速1.5mほどの風の中でフライトし、デミオを最大高度の10mから撮影したものです。
メーカーは等倍で鑑賞するような使い方を想定していないと思いますが、
上の写真のデミオ(車両部分)を等倍に拡大してみました。
流石に細かなディテールなどはツブレていますが、思ったよりちゃんと撮れていますね。
もちろん弱点もあって、夕方や曇天などの少し暗くなった状態では、少し画面にノイズが目立ちます。
また、素子(センサー)サイズも小さくダイナミックレンジも広くないため、夕日や逆光での撮影では安いデジカメのようにトビやツブレは発生します。
これは極端な例ですが、夕日に向かって撮影した場合にはこういった写真になることもあります。JPEGのみの保存なので、後処理でカバーするのも限界が低いです。
ただ、対策として後述する露出補正機能があるため、そちらを活用すると良いでしょう。
Telloで撮影した写真はどこに保存されるの?
Tello機体にストレージやMicroSDスロットを搭載していないため、撮影された写真や動画はスマートフォン上のTelloアプリの領域に伝送記録され、スマホのアプリ右上から3番目のボタンをタップすることで確認・再生できます。
サムネイルから選択して保存することで、他のアプリでも使用できる状態になります。
例えばiOSの場合、標準写真アプリのカメラロールにコピーされます。
メールやSNSなどで使用したり、PCに保存したりする場合、まずは写真アプリで確認できるように保存しましょう。
注意:Telloアプリ内で削除した写真や動画はゴミ箱など経由せず、1回で完全に削除されますので、選択後に誤ってゴミ箱をタップしないように気をつけましょう。
カメラの設定はどこまでできる?
Telloはスマートフォンアプリの右上の歯車のアイコンをタップすることで、設定メニューを呼びだせます。
メニューから「詳細設定」を選択すれば、下のような項目が表示されます。
実際に写真の画質に影響する設定は「写真画質」と「EV」の項目です。
ちなみにビットレートは動画の画質の設定となります。
「EV(露出補正)」の利用
「EV」設定はカメラの露出補正にあたる機能です。
日常的にカメラを使われている方には馴染みの深い機能ですね。
こちらの設定を行うことで、前後プラス・マイナス3段分の補正をかけることができ、逆光時の撮影の際にもある程度は対応することが可能です。
例えばこちらの写真のように逆光下で撮影した場合、地上はかなり暗く写ります。
そこでEVのパラメーターを「+1」だけ右に移動させることで、このように地上が明るくなりました。
黒くツブレていた左側にある山の木々が少し見えるようになり、逆に空や水面の明るい部分は白くトビます。
逆に「ー1」プラス側に補正した場合、地上は黒いシルエットになりますが、水面の波のディテールや空の雲などを白トビさせずに描写することができます。
写真撮影時には状況に応じて、露出補正を使いこなすようにしましょう。
「写真画質」によるの画像の違いは
写真は「標準画質」と「高画質」から選択して保存が可能です。
ただ、機体やアプリにメモリー機能はないようで、フライト毎に設定の必要があるのが少し面倒です。
それでは実際の画質差を確認してみましょう。
撮影条件が変わってしまうことがないよう、写真のようにバイクのトップケースにTelloを載せて、それぞれの設定で撮影してみました。
天候の条件は夕方で、光量は少し落ちています。
上が「標準画質」、下が「高画質」です。
一見すると遠景はあまり差が見られませんが、石などのディテールに少し差があるような感じを受けます。
それでは画像を拡大してみましょう
中央から左が「標準」右手が「高画質」です。
先程の写真で、中景手前にある河原の石を等倍で表示しています。
やや高画質の方がディテールがしっかりしているように見えますね。
こちらは遠景左手の建物の等倍拡大です。
上と同じく右手が「高画質」。
山の木々の部分はあまり差が見られませんが、やや屋根の質感が残っているような印象です。
ただ、大きく表示しないのであれば、意識してみないと分からないレベルかもしれません。
各設定によるファイルサイズは下記のようになっていました。
高画質は標準約2倍ほどのファイルサイズになります。
条件によっては差が出るのかもしれませんが、スマホでの使用のみで考えるなら、データサイズに比例するほど、画質は変化していないようにも感じます。
まとめ
いかがでしたか?
Telloは小型のトイドローンですので、カメラが固定であること、ダイナミックレンジの狭さなどの欠点はあるものの、FPVで画像を確認しながら写真撮影も可能で、ブログ用のスナップや自撮りには十分な性能があることがわかっていただけたと思います。
これから空撮にチャレンジしてみたい方、ドローンに興味がある方には12,800円と気軽にチャレンジすることができる価格と、練習にも適した優れた安定性で安心しておすすめできるモデルだと思います。
少し工夫すればパノラマ写真を楽しんだりすることもできますよ。
それでは、皆さん楽しいホビーライフを。
※この記事に掲載した写真は購入時の参考にしていただくため、撮影してスマホから転送したままの状態でリサイズ以外はレタッチや補正を行っておりません。
RAW画像での撮影機能はありませんが、ノイズやシャープネス、ホワイトバランスなどは、Photoshopなどのソフトで後処理することで、多少のブラッシュアップは可能です。