とさでいず

愛車DJデミオのカーライフを中心に自転車、バイク、高知のおすすめスポット、写真についてなど色々と書いています

さよならMR2

水曜の午後のこと。
MR2の新しいオーナーになる友人に頼まれていた
本やパーツ類をトランクに積み込み
私はドライビングシートに乗り込んだ。

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赤のレカロシートが心地よく
身体をホールドしてくれる。
キーを差込んで、スターターボタンを押すと
いつもどおりに背後から
エンジンの鼓動が伝わってくる。

確かめるように2度クラッチを切る。
1stにギアを入れてクラッチをつなぐと
何事もないようにゆっくりとMR2は走り出した。

オーナーたちの集まるインターネットの掲示板で知り合った方が
このクルマを手放すことを知り、
頼んで買い受けてから2年半。

2年前はまだ、心理的にも金銭的にも余裕があって
名古屋の近くまで流したり
富士山を見に行ったりした。

弟のFTOやクルマ仲間とつるんで
集まってミーティングをしたり
友達と一緒に洗車をしたり、写真を撮ったり。
そういえば、気になっていた女の子を送った事もあったっけ。
思いが報われることはなかったが、それはそれで良い想い出だ。

自分で内装をばらして
オーディオやスピーカーを組み。
デットニングを施工したり、
オークションで落札したパーツを取り付けたりした事もあった。

憧れて手に入れた。
そこにあることが当たり前になっていた。
最近では、1、2週間に1度は買い物で乗るくらい。

そして手放すことになった。

最後のドライブは呆気ないほど短い10分間。

近所のカローラ店にお邪魔して
陸送の為にMR2を預ける。

スターターや後付のセキュリティの説明をしてキーを渡し。
連絡先のみ記帳して、徒歩で店を後にした。
振り返ると、何事もないかように
駐車場でMR2は止まっていた。

昨日からの風邪でボーっとしている頭の中に
何かが聞こえたように気がしたものの
気づかないふりをして帰宅し
883のブレーキパッド交換の為にハーレーディーラーへと走った。



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ディーラーからの帰り道。
高台から見た夕陽がきれいで
何か旅の終わりのような気持ちを感じて家路に着き。
その日は何事もなく床についた。


そして翌日。
体調がまだ本調子ではなかった事もあり
少し仕事が遅くなり、気だるい気持ちを抱えながら
自宅アパートの前まで帰ってくる。


ふと、いつものクセで建物の横にある
駐車スペースを見た。



イメージ 3

当たり前だが、いつもそこで自分の帰りを待っていた
ユニークな顔の白いクルマ、MR2の姿はなく
何もない空き地が目に映った。

さよなら・・・。

そんな声が聞こえたような気がして
目頭が熱くなるのを感じた。