9月17日
7時起床。
食事の予約もしてあるので、顔を洗って食堂に降りる。
旅やキャンプ好き。
特に写真好きにとっては致命的なのだが、
私は朝が弱い。
日本一周で阿蘇の雲海を撮った時もそうだったが、
起床してもスイッチが入るまでに時間が掛かるのが難点だ。
多少寝ぼけながら朝食。
残念ながら写真はないが、和洋折衷なメニューだった。
ごはんとお味噌汁に海苔。後はおかずが数品。
普段は忙しいのでパン食が多いが、
やはりごはんを食べると元気が出てくる気がする。
結局、朝から2杯も平らげてしまった。
8時過ぎには食事は終わっていたが、
別に急ぐ必要も無いので、コーヒーを飲みながら
他の旅人と話したりして、マッタリ過ごす。
オートバイで走る時間も楽しいが、こういった時間も旅の楽しみのうちだ。
宿のオーナーからスーパー林道の通行止め情報を確認したので、
とりあえず上勝の始点だけでも確認しておこうと、
のんびり10時ごろに出発。
前日に190キロほど走っている事から、
県道34号線で給油を済ませ、
その後は吉野川を渡り、石井町から県道20号線に入り南下する。
鮎喰川のほとりにある、徳島なのに
「軽井沢レジャーランド(フリーサイト600円らしい)」という
謎な名称のキャンプ場前を通り抜け、
県道21号線に入り更に南下、国道438号線に入る。
ここでアクシデント発生。
走行中に違和感を感じて計器を見ると、
スピードメーターが「0」を指している。
路肩に停車してみる。
フロントホイール側のメーターケーブルが外れたのかと、
ホイールを確認してみるが異常はない。
車体を押してみるとメーターに反応があった。
バックライトも点いているようだ。
「なんだ、気のせいか?!」
気にせず走り出してみると、
40キロくらいまで速度が上がった付近から、
ゆっくりとメーターの速度が「0」に落ちてゆく。
そして、全く動かなくなった。
再び路肩に止まって確認。
どうやらメーター裏のケーブルが破損したか、
外れてしまっているようだ。
修理を試みるもメーター裏にアクセスするには、
フロントキャリア・ヘッドライトを外す必要がある。
キャリアはフロントフォークを支えているトップブリッジの
プラスネジに朋締めされているので、
それを緩める必要がある。
車載工具でトップブリッジのネジ山をナメると、
逆に状態を悪化させかねない事から、
その場での修理は断念した。
状況を整理する。
燃料は満タンにして40キロ弱走行。
少なくとも300kmは走行可能だ。
幸いGARMINのGPSを持ってきている。
衛星電波を受信できる場所であれば、
測位中はリアルタイムで速度を表示することが可能だ。
アンテナの受信感度の問題で、
トンネルや谷間・深い林の中では、
速度や距離は把握できないが、
スピード違反対策には問題ないだろう。
ただし、林道に侵入した場合、
破損したパーツ周りを悪化させたり、
ステー脱落などの可能性もある。
スーパー林道は次回以降に延期し、
舗装路中心で景色を楽しむことにした。
県道18号から杖立峠を越え、
舗装された大川原林道を抜け、
大川原高原に到着した。
大川原高原は夏季は放牧場として開放されており、
売店ではバーベキューなども楽しむことが出来る。
また、15機の風力発電機を備えた
大川原ウインドファームでもあり、
四国エリアの中でも大規模な風力発電所の1つだ。
北海道のオトンルイと比べると少し劣るが、
目の前で回転する風車は迫力がある。
観光地としてはマイナーなスポットではあるが、
展望も素晴らしく、天気が良ければ瀬戸内海の鳴門海峡大橋や
淡路島まで見通せる。
この日も多少霞んではいたものの、
鳴門大橋はしっかりと確認できた。
時間は12時30分。
朝食の時間が早かった事もあって、
空腹感が襲ってきたので、
ここで昼食を取ることにする。
売店で食べ物を購入しても良いのだが、
デザートにソフトクリームだけ購入することにして、
近くにある東屋のテーブルでカップヌードルを作る。
風が強くて少し肌寒いが、
むしろ温かいラーメンが引き立って美味しく感じる。
その後、デザートにソフトクリームを食べて出発。
一路、県道16号へ。
相変わらずの狭い道が続いているが、
ワインディングに木漏れ日、
山村風景、渓流と退屈する暇がない。
時折、素晴らしい展望が広がる場所もあり、
幾度もオートバイを路肩に止める機会があった。
右の写真は八重地の集落。
岐阜の合掌造りの山里も素晴らしいが、
こんな四国の山村風景も
捨てたものではない気がする。
道路の3分の1ほどをコケが侵食している。
気をつけて走れば問題ないが、
オーバーペースでコーナーに進入したら
危険な場所も多い。
ただ、そんな景色も悪くないと思うのは
私だけではないはずだ。
30~40キロというスローペースで、
のんびりと流すツーリングというのも、
それはそれで楽しめる事を再認識することができた。
噂で聞くカブでツーリングというのも
楽しいかもしれない。
国道193号線に出る少し前で、
ちょっとした「いろは坂」の区間があり、
坂の途中で景色を眺めた。
岩の上に置いたヘルメットが転がり、シールドが傷ついてしまったのは、
少しだけ痛かったのだが・・・。
謎の大型オブジェを発見。
何かのアートらしい。
空想世界の秘密基地のようなデザインが面白い。
あの橋を渡ると国道193号線を抜け、
195号線から高知県香美市の奥物部方面に戻ることが出来る。
そこを抜けて市街地に出れば、
今回のツーリングは終了だ。
多少のトラブルもあったものの、
1泊2日の日程にしては、
非常に旅気分を満喫することができたような気がする。