とさでいず

愛車DJデミオのカーライフを中心に自転車、バイク、高知のおすすめスポット、写真についてなど色々と書いています

春の足音を求めて -1-

2月7日(水)午前9時。
小田原厚木道路の下り線をオートバイが走っていた。
昨日まで会社の窓越しに眺めていた青空も
晴れだったはずの天気予報も外れてしまい、
今日はそのオートバイを駆るライダーの気分を映しだすかのように
どんよりと曇っている。



イメージ 1

世間では暖冬といわれているとはいえ、
冬らしい寒々とした空の下を
100km/h近くで走り続けるのは
流石に快適とは言えず、
あまり楽しいものではない。



ライダーは小田原PAの表示を確認し、
オートバイのウインカーを左に点滅させて減速した。

平日のということもあり、そこを訪れている車も少ない。
パーキングエリアにある売店の近くにある駐車スペースに
オートバイを止めると、
ライダーは売店でパンとコーヒーを購入し
駐車スペースの見える場所に設置されたベンチに腰をおろして、
少し遅めの朝食を取り始めた。


イメージ 2

近くの路面で一羽のスズメが首をかしげているのを見つけ
パンの最後のカケラを与えた。
スズメがパンをつつき始めるのを確認して席を立つ。


オートバイに戻り、リアシートに縛りつけていたバッグから
地図を取り出してルートを確認する。
今回の目的は伊豆半島の予定だ。

オートバイのシートに腰掛て地図を眺めていると
傍に止められたBMWセダンに乗る中年男性ドライバーも、
これから伊豆をドライブする予定だったようで、
軽い挨拶と天気の話やルートについて少し話した。

お互いの楽しい休日を願い。それぞれの愛車の元に戻る。
ライダーはオートバイにまたがりエンジンを始動した。
軽くスロットるをあおると、
少し冷えかけていたエンジンが再び目覚める。

BMWが発進していくのを確認して、
オートバイはそれを追うようにゆっくりと走り出した。

国道135号から真鶴道路、
熱海ビーチラインの有料道路を経由して熱海を抜けると
再度135号に合流する。

左手に海を臨みながらオートバイは
淡々と南に向かって走っていく。



イメージ 3
相変わらずの曇り空であったが、
時折見える光の筋を眺めながら
順調に距離を伸ばしながら
ふとメーター上のトリップメーターを確認すると、
前回の給油から走行距離が150kmを過ぎていた。

目の前の小さな橋を渡ると、
右手に小さなセルフのガソリンスタンドが見える。

そろそろ給油をしておこう。
オートバイは速度を落とすと
目の前のガソリンスタンドへと吸い込まれていった。