こんにちは、Hiroです。
先日、写真を趣味にされている方のブログ「きうまのふぉとらいふ」さんで、カメラのレンズ選びについて面白い記事を見つけました。
要約すると、
「撮影に出かける時に持っていくレンズが3玉(本)なら何を選ぶ?」
といった内容です。
なかなか興味深い内容でしたのでしたので、自分のカメラバッグに入れているレンズは何かなと考えて、少し書いてみることにしました。
過去に使っていたレンズ
私自身に当てはめて考えてみても、カメラバッグに入れているレンズは2〜3本ということが多いです。
私が使っているレンズは下記のようになっています。
以前使っていたレンズ3本
一眼レフをメインで使い出したのは2008年で、もう10年前のことになります。
当時ボディはキヤノンのEOS 1HS (EFマウントのフィルムカメラ)と 20D(その後50D)を使っていました。
フィルムカメラでは
- EF28-80mm F2.8-4L USM
- EF80-200mm F2.8L
- EF50mm F1.8
デジタルカメラの20Dでは
- タムロン AF18-200mm F3.5-6.3 XR DiII
- キヤノン EF50mm F1.8
- キヤノン EF28mm F2.8
以上のレンズが基本の3(玉)本です。
フィルムカメラは写真を始めたいと考えていた頃、親戚に元ラボ勤務の方がいて、その方から運良くボディとレンズを譲り受けた形です。
いただいたのは基本に忠実な標準と望遠2本のズームレンズでしたので、後になって50mm f1.7のレンズを追加しました。
その後、オートバイツーリングで旅の写真を撮影するのにハマり、レンズ交換をできるだけ減らすという狙いがあり、デジタルのEOSボディを購入。高倍率ズームをメインに据えています。
単焦点レンズは宿やキャンプ場に到着してから、のんびりと夜景やボケなどを活かした撮影を行うためでした。
実際に3ヶ月ほどを要した日本一周ツーリングでは、移動中はコンデジのRICOH GRD2と20Dに18-200mmで撮影。幕営またはチェックしたら単焦点をつけて散歩ということが多かったような気がします。
また、当時使用していたレンズが予算の関係もありますが、すべてのレンズ、カメラが手振れ補正なしのものです。
今考えると、この組み合わせに鍛えられた気がします。
その後、画質を落とさずに手振れ補正つきの新しいレンズを購入しようと考えると、どうしても資金面で新規レンズの購入が難しいこと、システム全体が大きく重いこと、安価なEF-Sマウントには開放絞りの明るいレンズがないことなどが原因で、EFマウントからマイクロフォーサーズに移行しました。
初代OM-D E-M5の登場あたりで、マイクロフォーサーズの画質が大幅に向上したことも、システム変更に踏み切った理由の一つです。
現在E-M1とE-M5に使用しているレンズ3玉
そして現在、メインで使用しているレンズは以下の3玉です。
なお、ボディはオリンパスのE-M1とE-M5を使用しています。
E-M1 markIIも気になっているのですが、資金的にお預け状態ですね。
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
- M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
- 単焦点1本(主にLUMIX G 20mm / F1.7 ASPH)
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
撮影の基本となる標準ズームレンズです。
通常の撮影であれば、このレンズ1本でほぼ完結できます。
作例:OLYMPUS OM-D E-
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
12mm F8 1/500 iso200 アスペクト比16:9
12mm(35mm換算24mm)でワイドに切り取っています。
これ以上の広角となると「7-14mm F2.8 PRO」が欲しくなりますが、比較的高価なことや使いどころが難しいので、通常はこれで十分と言えます。
作例:OLYMPUS OM-D E-
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
21mm F10 1/200 iso200
フルサイズ(35mm)換算で約40mmの標準画角で撮影。
近景の桜と背後の鉄橋をきっちりと解像させるため、少し多めに絞り込んでいます。
ボディーはシャッタースピードを抑えたいなどの理由でND(減光)フィルターを使用したり、さらに絞り込むなら、手振れ補正も強化されて回折軽減の機能を備えたE-M1以降の機種を使ったほうが良いです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
マイクロフォーサーズでは異例の大きさのレンズですが、そのサイズに見合うだけの解像力があり、望遠だけでなく簡易マクロとしても使用可能です。
1.4倍のテレコンにも対応しており、望遠の圧縮効果を狙った撮影にも威力を発揮します。
作例:OLYMPUS OM-D E-
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO+1.4テレコン
210mm F4 1/320 iso1600
テレコンを使用して、椿の木に止まるメジロを撮影。
フルサイズの420mm相当の撮影も、三脚なしで撮影できるほどハンドリングが軽いのは嬉しいところです。
上の写真から等倍に切り出しても、かなり綺麗に写っています。
E-M1 markIIなら解像度もアップし、高感度ノイズも改善されているので、更に鮮明な撮影が可能でしょう。
作例:OLYMPUS OM-D E-
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
150mm F3.5 1/400 iso500
望遠レンズの圧縮効果を利用してみました。
堤防の上から前ボケを狙って撮影しています。
E-M1の手振れ補正と併用で、日没前の時刻ですが手持ちで撮影できました。
このレンズは中古でも高価なので、貧乏な私には購入に勇気が必要でしたが、良い買い物をしたと思っています。
なお、予算不足の場合や軽量コンパクトを目指すなら、75-300mm F4.8-6.7 もなかなか良いです。
暗所には弱いですが、晴れた日であれば十分使えますし、テレコンなしの手持ちで、35mm換算600mmが強力です。
単焦点を1玉
上では「LUMIX G 20mm / F1.7 ASPH」と書きましたが、マクロをメインにしたい場合には「60mm F2.8 Macro」に変更することもあります。
一応、LUMIX G 14mm / F2.8もありますが、12-40mm F2.8 PROを購入後は使う機会がなくなりました。
普段は妻のGF2用のワイドレンズになっています。
マイクロフォーサーズボディのメリットを活かす
レンズは3本には変更がないのですが、マイクロフォーサーズを使い始めてから、カメラを2台持っていくことが多くなりました。
EOS 5Dなどフルサイズのカメラでの2台持ちは、バイクや自転車、登山などでは積載容積や重量増の関係でなんとか避けたいところです。
しかし、マイクロフォーサーズのシステムでは、フルサイズのカメラとズームレンズを2本持っていくサイズと重さで、2台のボディとレンズ3本を難なく選ぶことができます。
実際のセット内容ですが、私の場合は通常、E-M5に「12-40mm F2.8」をE-M1に「40-150mm F2.8」を装備しています。
これを基準のセットとしカメラバッグに入れておき、必要に応じて単焦点に交換します。
ボディ1台にレンズ3本でも撮影は可能ですが、あらかじめ2台のボディーに標準と望遠それぞれのレンズを装備しておくことで、幅広い撮影チャンスに素早く対応できること。
つまり、レンズ交換による時間のロスを減らせるという理由があります。
ほかにも屋外でのレンズ交換によるトラブルを防ぐこと。ボディの故障やトラブル時にもう片方で全てをバックアップできるという意味もあります。
いざシャッターチャンスに恵めれても、その瞬間に対応できる機材を持っていないのではどうすることもできません。
たしかに機能面では高感度ノイズなどの画質低下やボケが少ないなど、フルサイズに対するデメリットもあります。
しかし、フルサイズに対して同絞りでボケが少ないということは、パンフォーカス時でもシャッタースピードを稼ぎたい場合には逆にメリットとなりますので、悪いことばかりではありません。
さらにこの組み合わせのメリットは状況に応じて、さらに軽量な撮影スタイルに変化できるという点です。
例えば、旅行で温泉に宿泊した際、妻や恋人と散歩するようなシチュエーションでは、できるだけ余計なものを持ちたくないもの。
そんな時にはE-M5に20mm / F1.7のパンケーキレンズなら、カフェの店内や温泉街のような風景の中でも変に浮くことなく、さりげなく高画質カメラを持ち歩くことができます。
カメラに興味のない人間から見ると、大きなレンズのついたカメラを街中で振り回しているのは無粋で気になりますし、仲の良い友人のような関係でも大きなレンズを向けられると、どうしても身構えてしまいます。
そんな状況でも、コンデジと大差ないサイズのE-M5なら、パンケーキレンズと組み合わせることで強い味方となるのです。
なぜレンズ3本なのか?
では、 「なぜ3本なのか?」
きうまさんは下記のように書いています。
メインレンズは3本 なんで3本なのかと言うと、何本もレンズを持っていっても、実際使うのはせいぜい3~4本だった過去の経験からです。
複数あればあるほど、どれを使うか迷いますし、持ち運びも面倒になってきます。 少なければ迷うことはないし、持ち運びも楽ですが、その時々に自分の納得いくイメージ通りに撮影出来る可能性が低くなります。
カメラレンズの選び方(その3)「おやつは3本まで」 - きうまのふぉとらいふ
これは実際にその通りで、たくさんレンズを持って行っても、現地で全て使うことは稀であることは何度も経験しています。
ましてや、そこそこ撮影の技術が上がれば、被写体(撮りたいもの)が決まっている場合、どのアングルでどんな撮影をするのかは、出かける前にイメージすることができます。
あとはその場に出かけて行き、チャンスを待ってシャッターを切るだけです。
何を持ち出すのかが、よりシビアになれますし、厳しい局面でもどれかで工夫して撮ることにより腕前も上がる。 そんなメリットがあるんだと後付けでそれっぽく言ってみたり。(笑) 1本で事足りるけど?って方なら、せっかくの交換式なのですから、レンズを替えて色々な写し方や捉え方で楽しむのも良いのでは?と提案してみます。
カメラレンズの選び方(その3)「おやつは3本まで」 - きうまのふぉとらいふ
初心者のうちは「このレンズ(焦点距離)ならどんな画角で撮れる」ということが分かっていないので、どうしても迷うことが増えてしまいます。
そんな時に便利な、広角から望遠まで1本でカバーできる「高倍率ズームレンズ」も販売されています。
しかし、初心者のうちから高倍率ズームに頼ってしまうと、被写体に近づいたり離れたりすることなく、その場でズームして被写体を捉える癖がついてしまうことがあります。
それでは結果的にレンズの特性を覚えるのが遅れてしまい、撮影技術の向上を妨げてしまいますので、あまりお勧めできません。
まとめ
私の被写体は風景や旅写真が中心ですので、「様々なシーンに対応できる」ということを重要視しています。
その為、フィルム時代の基本に立ち返り、「2本のズームレンズに目的に特化したレンズを追加する」というレンズ選びになっています。
しかし、スナップや野鳥、ポートレートなど、撮影する分野が違うなら、明るい単焦点で固めたり、600mm以上の望遠や複数のマクロレンズをセットしたりと、ジャンルに特化したレンズの選択もあります。
良い写真を撮るためには、シャッターチャンスに遭遇する運だけではなく、実際にレンズを使ってみて、そのレンズの特性を覚え、どうすればどう映るのかを理解することも重要になってきます。
本気で上達したいと考えている初心者の方は、できることなら複数のレンズ(単焦点を推奨)を使ってみて、特性を生かした撮影を楽しんでいくこと。
そして、そのなかで「自分の被写体にあった焦点距離のレンズを見つけていく」ことをお勧めします。
「なぜこのレンズなのか?」
それが分かるころには随分と写真の腕は上達しているはずです。
それでは。