国道56号を素直に走り、高知市街エリアまで帰るのも面白くないので、
ちょっと県道に逸れ、海沿いの道を探索してみました。
走りやすい国道と違って、
海側の県道は生活路。
地元の住民しか通らないような
狭い道があったり、
想像していなかったような景色に
突然出会える事もあるので、
退屈することがありません。
時折、小さな集落に行き着いたり、
とんでもない林道に突入したりと、
ちょっとした旅気分を楽しめます。
県道の脇で、こんな標識を発見。
標識に沿って枝道を進みます。
道幅は基本的に1車線で、
写真は少し余裕のある場所。
谷側はガードレールも無く崖です。
交通量が少ないのか、
車線の中央が苔生してますね。
ときどき落石が転がっていたりする
ブラインドコーナーを繰り返しながら、
少し勾配の強い坂を海に向かって
降りて行くと・・・。
こんな場所に出ました。
小さな囲いのある東屋と、
クルマが数台止められるように
ちょっとした駐車場と側には
工事現場にあるような
簡易トイレがあります。
右奥が降りてきた道で、
左手の小道を降りて行くと、
下は浜辺になっています。
実はここ、温泉が湧いているのです。
湯治湯と書かれていますが、
水温は低いので、
温泉として入るには
沸かす必要があります。
源泉を触ってみましたが、
強い硫黄の香りが漂っていて、
サラサラとしています。
かなり泉質はよいとか。
駐車場の横には、
右のような貯水タンクが設置され、
湧き続ける源泉を貯めています。
自宅の風呂が追い焚きであれば、
ポリタンクを持参すれば、
看板の横にある箱に寸志を入れて、
源泉を持ち帰り、温泉を楽しむことが出来ます。
ちなみに東屋の中には、
五右衛門風呂の釜があり、
自分で火を焚いて湯を沸かせば、
温泉に浸かることもできますよ。
壁に注意書きがあり、
焚きつけの薪は下の海岸で拾ってくる事。
火の始末は自分で行う事など、
簡単なルールが決まっているようです。
東屋からの景色はこんな感じです。
天気が良ければ、
青い海と波の音を聞きながら、
湯を楽しむことが出来ますね。
ちょうど通りかかった
地元のオジさんがいたので、
色々と話を伺いました。
昔は地元の人にもあまり知られていないスポットだったようですが、
最近はインターネットの情報を調べて、
都会から秘湯を訪ねてくるお客さんもいるようです。
当初は水を持ち帰るためには、
湧き出す源泉を受ける容器を準備して、
のんびり待つ必要があったようですが、
平成15年に町が貯水タンクや施設を整備したとのこと。
天候によっては危険な場合もありますが、
下の浜辺でキャンプをする旅人もまれにいるとか・・・。
お遍路さんという巡礼が盛んな四国では、
野宿という行為に比較的寛容な風潮があります。
ただ、基本的にはボランティアで運営している施設なので、
利用される方が砂浜や周囲にゴミなどを捨てて、
閉鎖されてしまうような事がないよう、
一人一人がマナーを守りながら、
このスポットを利用し、残していきたいものです。
私もいつか機会があれば、
ここの浜でキャンプしてみたいと思います。
個人的には人が少ない秋頃かな?