こんにちは、Hiroです。
スクラムバンPCスペシャル(HBD-DG17V)は走行中に音楽を聞く際にボリュームを控えめにすると、ボーカルなどが曇って聞き取りづらいという純正オーディオの特性を改善する為、前回はヘッド交換を行ってみました。
それにより使用可能メディアの充実と全体の音の出力バランスがかなり改善されたものの、音量を控えめにした際のボーカルの聞き取り辛さ、曇ったような音の眠さはこれだけではあまり改善されません。
まあ、基本的にスクラムバンの使用用途の想定が乗用車としての快適性ではなく、商用貨物・営業車用途ですから、音質などは期待する方が間違っているのかもしれません。
とはいえ、せっかく夫婦でアウトドアを楽しむために購入した車。
気持ちよくドライブを楽しむために、できるだけ費用をかけずに引き続き音質改善を試みてみたいと思います。
以前の記事はこちら
- スクラムバン PCスペシャルに装備されているノーマルスピーカーを確認
- ツイーターって何?
- スクラムバンに装備するツイーター
- スクラムバン ツイーターの取り付け位置
- スクラムバン ツイーター装備後の変化
- 今回使用したもの・使用した工具など
スクラムバン PCスペシャルに装備されているノーマルスピーカーを確認
まず、「ボーカルの聞き取り辛さ、曇ったような音の眠さ」こちらの原因として考えられる点は、軽貨物のスクラムバンは乗用のワゴンと違いドアのみの2スピーカーのみであることです。
2名乗車であれば、リアスピーカーはともかく、ツイーター増設で音の定位を持ち上げ、音場を整えてあげることが必要と考えました。
そこでまず、現在音を鳴らしているスピーカーを確認してみることにしました。
パワーウインドウスイッチを接続している端子が硬く、なかなか抜けなかったので、少し苦労しましたがドアの内張パネルを外してスピーカーを確認します。
内張にはビビリ防止用なのか小さなスポンジが数カ所あるだけで、
ドアパネルにも内張にもしっかりした遮音・制振用のパーツは使われていないように見えます。
こちらが実際にドアに装備されているスピーカーです。
一応、音が車内に導かれやすくするために周囲をスポンジで囲んで、内張のスピーカーホールに繋げています。
スピーカーをドアの金属パネルに取り付けているステー(インナーバッフル)はプラスチック性の簡単なものです。
スピーカー裏のパネルの制振なども特になく、そのまま取り付けられている感じですね。
とはいえ、スピーカーサイズは16cmクラスのものですので、とりあえず営業・配達中にラジオでも聞ければ良いレベルであれば問題はない範囲で音は出ます。
もう少し高音を出したいといった「音質だけ」を気にされるなら、ツイーターが同軸状に配置されたコアキシャルスピーカーに交換するだけでも良いのかもしれません。
ツイーターって何?
オーディオスピーカーの種類の一つに「ツイーター」という小さなスピーカーがあります。
1つで全域の音を発生するフルレンジスピーカーと違って、ツイーターは高音域を担当するスピーカーです。
多くの場合は車のAピラーやドアミラー裏付近、またはダッシュボードの左右に装備されます。
ちなみに語源は小鳥のさえずり声(英:tweet)から取られています。
高品質なフルレンジスピーカーはある程度の低音から、高温の領域まで綺麗に再生しますが、低価格帯のスピーカーではそこまで対応できません。
さらに高級車を除けば、車内はノイズが多く侵入するため、再生された音の損失や減衰が多いため、高音で小さな音はあまり耳に届かない印象です。
そこでツイーターをミッドレンジを一体化した「コアキシャルタイプ」やミッドレンジ。または高音域のツイーターを別々に装備した「セパレートタイプ」のスピーカーが乗用車のオプションスピーカーとして多く採用されてます。
高音域が耳に届くと音の輪郭が発揮するとともに、音の発生源とし認識されやすく音源の配置などがイメージしやすくなってきます。
スクラムバンに装備するツイーター
写真が今回使用したツイーターです。
音質改善の変化を見るため、あえてメインのスピーカーを変更せず、ツイーターのみを中古で入手し増設しました。
ちなみにこのツイーターは「アルパイン STE-G160S 16cmセパレート2way 車載用カスタムフィットスピーカー」に付属しているツイーターです。
このセパレートタイプのスピーカーは別売りのバッフルを装備することで、エブリイ(DA17V)に取り付けたというレビューもあるため、スクラムバンやクリッパーの方も安心して購入できます。
スクラムバン ツイーターの取り付け位置
ツイーターの取り付けはスピーカーから配線を分岐し、Aピラー側に内装用両面テープなどで装備しても大丈夫です。
しかし、今回はカーナビ裏のスピーカー配線を分岐し、純正ツイーター位置にあるフタの上に配置しました。
軽乗用車モデルのスクラムワゴン(エブリイワゴン)でしたら、この位置に純正ツイーターが付いているのですが、バンでは写真のようなフタがされている状態です。
配線は通常、ドアスピーカーから分岐させて配線しますが、今回はエーモンのY型接続端子(M259)でスピーカー配線を分岐しました。
なお、市販の端子を使用する場合、火災・電装故障などの原因にならないよう、使用可能電力は確認して使用するようにしましょう。
AVIC-MRZ85では最大出力:50 W×4ですので、140W以下のため問題なく使用できます。
ツイーターの端子が平形でしたので、今回は電工ペンチでギボシ端子に変更。
フロントスピーカーケーブルに割り込ませる形で配線しました。
私の場合、実験も兼ねての施工なので、上記のようにツイーターのみを仕入れて加工しましたが、一般的には市販のセパレートタイプのスピーカーをセットで装備した方が中音・低音ともにバランスが取りやすく、音の定位をコントロールしやすいです。
また、ツイーターだけを増設したい方、内装をあまり変化させず純正位置に取り付けたい方は通販やディーラーで純正ツイーターも購入できますので、こちらで対応しましょう。
ツイーターまでの配線はメーターパネルを外した方が簡単ですが、私は取り外し工程が面倒なので配線ガイドを駆使して施工しました。
スクラムバン ツイーター装備後の変化
ボリュームを少量1〜5程度で音楽を鳴らしている時には、ヘッド交換時とあまり変わったように感じません。
ただし、そこから7〜10程度まで音量を増やすことで、一気に音楽が聴きやすくなりました。
特にツイーターの担当する周波数は高音域のため、視聴音楽がロックであればギターやハイハット、ブルースハープなどの高音域、アタックの強いタムやスネアが聞き取りやすくなります。
女性の声楽やジャズボーカルなども艶やかで、ブレスなども聞き取れます。
正確には聞き取りやすいという表現ではなく、「解像感が上がる」という表現が正しいかもしれません。
これまでただ鳴っていただけの音の輪郭がはっきりとすると同時に、しっかりと車の前から音楽が聞こえるように感じというと分かりやすいと思います。
実際には中音、低音は変わらず足元のドアスピーカーから出ていますので、高音がフロントガラスの左右から発生するようになったことで、脳が高音を認識し空間の中で音の定位を引き上げたと言えます。
写真でいうと格安スマホの眠い写真から、一眼カメラの単焦点レンズでカッチリピントを合わせて撮影した写真に変わり、被写体の輪郭がシャープで繊細に描き出された感覚ですね。
概ね自分で狙っていた通りの結果になったと思います。
あとはドアパネルの制振と遮音、ボディー各部のノイズ対策を行うことで、音漏れを含めて試聴環境は改善するはずです。
また、ミッドレンジスピーカーも良いものに変更することでさらに良い音質に変わると思いますが、しばらくはこのままで様子を見ながら、少しずつ変化を楽しみたいと思います。
もし、軽バンの2スピーカーでBGMを聞いている方で、もう少し音質がと悩んでいる方はデッドニングに関してはキリがありませんし、沼にハマることも考えられますので、 とりあえずツイーターの増設がコスパ的にも体感的にもオススメです。
今回使用したもの・使用した工具など
装備したツイーターはアルパインのSTE-G160Sもしくは170Sに付属しているツイーターとネットワークです。
廉価クラスのセパレートスピーカーなので、普通にセットで購入しても1万円台の前半で購入できます。
レビューなども好評で、初めての交換スピーカーや低価格の車などに装備する際にも着けやすいコスパの高いモデルとなります。
現行のスクラム(エブリイ)は16cmスピーカー指定となりますので、STE-G160Sとバッフルボードを購入、スピーカーの変換コネクターを使用することで装備できます。
必要な工具
とりあえずドライバーがあればできますが、内張剥がしや配線ガイドがあると内装などに傷をつけず作業をしやすくなります。
電工ペンチは配線加工にあると便利ですが、スピーカーをセットで使用するなら、使わないことが多いです。
あると便利なアイテム