深夜のパーキングエリアで・・・

気が向くままに走ってきたのか
何かに導かれて
この道を走ったのか…。

ツーリング中に立ち寄った
夜のパーキングエリアで
暗闇にたたずむ愛車を眺めながら
缶コーヒーがなくなるまでの
ほんの十数分の時間に
そんな事を思った事がある。

春先から初夏にかけて
昼間は暖かく過ごすことができても
日没後は急に気温が下がることは珍しくない。

高速道路などを流していると
急速に体が冷えて疲れを感じ
最寄のパーキングエリアに入って
休憩をとる事がある。

大きなサービスエリアなら
売店で食べ物が買えたり
有人のガソリンスタンドで休む事もあるのだが
小さなパーキングエリアには
薄暗い蛍光灯の明かりだけが光る自動販売機と
少し離れたところに
ひっそりとトイレがあるのみで
自分以外に誰一人いないという
状況に陥ることも少なくない。

そんな時は大体
寂しげな夜のPAの景色の中で
トイレに向かい用を足した後、
あたたかい缶コーヒーを購入する。

愛車の横に腰を下ろし
少し冷えた体に注ぎ込むと
さっきまでの緊張の糸が切れる。

そっと空を見上げて
深く息を吐き出すと
何ともいえない爽快感と
寂しさが胸の中で交差する。
そんな時の出来事……。

※ちなみに当時はＺＺＲ４００に乗っていました。
イラストはイメージですm(__)m