こんにちは、Hiroです。
高知市から四万十市へ向かう途中、黒潮町の佐賀より海辺の国道56号線を走っていると道路標識に「鹿島ケ浦 幡多十景 」という言葉が目に入ります。
意外と目立つ場所にあるため、旅行やツーリングなどでこの場所を通って、幡多十景という言葉が気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
以前の記事でも少し触れた、海側を眺めると広がる佐賀港一帯の風景。
それが「鹿島ケ浦(かしまがうら)」だということは理解できるのですが、近隣の観光案内のプレートなどには他の幡多十景についての記載はなく、「鹿島ケ浦のほかにある幡多十景とはどこ?」と不思議に思う方も多いようです。
幼少期に幡多エリアの四万十市(旧中村)で育った私自身、2010年頃から気になっていたものの、黒潮町佐賀支所などに問い合わせを行っても当時は詳しい資料もなく、その後はすっかり忘れていました。
しかし、最近になって詳しい場所の情報を得る機会に恵まれ、久しぶりに調べてみることにしました。
幡多地域とは
幡多十景を語る前に、「幡多(はた)」とは何かを説明しておかなくてはなりません。
幡多とは、もともとは明治12年(1879年)に行政区画として発足した群域で、現在では高知県の四万十町から西のエリアを指す言葉です。
現在の行政区分で言うと、四万十町の一部(大正中津川、折合、芳川、相去、烏手、大正北ノ川、弘瀬、打井川)より西のエリアという形になります。
平成の大合併により、2018年現在でも住所に「幡多郡」と記載されるのは、「大月町」「三原村」「黒潮町」のみとなっていますが、幡多エリアとなると四万十市、土佐清水市、宿毛市の一体も含まれています。
幡多十景(はたじゅっけい)とは
幡多十景とは昭和28年(西暦1953年)11月16日、高知新聞社が主催となって読者投票で選定された当時の景観に優れたスポットです。
昭和28年というと、太平洋戦争の終戦から8年ほどしか経っておらず、国内の交通のインフラ整備・経済の復興もままならず、自家用車の普及はまだまだ先の時代です。
そんな当時に選定された、高知県西部の10の絶景スポット。
すでに発表から65年の歳月が経っており、高度経済成長期以前の発表だったこともあり、地元幡多エリアの住人であっても「幡多十景」の名を聞いて全て分かる方はあまりいません。
そして、残念なことに現在では忘れ去られ、観光地とは呼べないようなスポットもあります。
ただ、その名前は幡多エリアの各所に残っており、ときおりその景色にロマンを感じ、思いを巡らせる人がいるのは確かなようです。
幡多十景の場所は
現在、WEBで「幡多十景」の検索を行った場合、
十景をリストアップしているサイトは、おそらく下の2つだけのようです。
幡多十景(黒潮町ポイント)│黒潮町公式ホームページ 観光情報
クロシオクロニクルさんは個人ブログのようですが、残念なことに途中で更新が止まって放置されているように見えます。
黒潮町の公式サイトでは同町内にある入野海岸、鹿島ヶ浦が紹介されています。
昔、佐賀の訪れた際には全く情報がなかったので、問い合わせなどもあって、高知新聞社に確認を取ったのかもしれません。
そして、黒潮町の公式サイトの公式ページによると、幡多十景の場所は下記のようになっています。
リストは市町村別に分類し、()の中が現在の地名になります。
やはり西部最大の四万十市はスポット数も多くなっています。
- 下津井渓谷(四万十町・旧大正町)
- 入野海岸(黒潮町 旧大方町・入野の松原付近)
- 鹿島ヶ浦(黒潮町 佐賀・佐賀港一帯)
- 四万十川鉄橋河畔(四万十市・中村渡川)
- 金刀比羅山(四万十市西土佐・江川崎)
- 有岡城趾居部正(四万十市・有岡中筋)
- 平野海岸(四万十市・下田)
- 金刀比羅山(宿毛市・市街地北)
- 七日島起点小筑紫湾(宿毛市・小筑紫)
- 樫西海岸(大月町姫ノ井・旧月灘村)
現在でも人気のあるポイントは?
実際にリストアップしてみると、日常的に何度も訪れている場所もちらほら。
いくつかは車で簡単にアクセスすることができます。
特に入野海岸や平野海岸はサーフスポットとして、樫西海岸(かしにしかいがん)は海水浴やダイビングスポットとして現在でも人気の場所です。
四万十川鉄橋河畔も過去の花火などの記事で、何度か登場した四万十市のランドマーク的な場所ですね。
それでは、次回は改めて10の景色がどのようなものであったのか?
写真などを交えながら、場所や詳細を紹介して行きたいと思います。