こんにちは、Hiroです。
2017年のゴールデンウィーク。
ゴールデンウィークといっても、休日は日曜プラス1日しかなかったので、世間の長期連休という雰囲気はありませんでした。
とはいえ、久しぶりに妻がパートで自分一人で使える休日が確保できました。
そこで一人で原付に乗って、高知県宿毛市と愛媛県愛南町の境にある篠山に登り、アケボノツツジを見に行くことにしました。
篠山(ささやま)とは
高知県と愛媛県の県境に位置する篠山は標高1,065m(1064.6m)。
三百名山のひとつで、足摺宇和海国立公園に指定されています。
山頂までは8合目の駐車場から、距離にして約1km。
標高差280mを登ります。
登山道は整備されていて、山上の篠山神社まで急な階段を上っていく程度なので、山歩きとしての難易度は初級レベルです。
篠山までの道
私は原付で宿毛市から松田川沿いに上っていきましたが、愛媛県側からの方が全体的に道は良いようです。
宿毛市からはこんな長閑な道を抜けていきます。
新緑が眩しいですね。
最近はあまり見かけることが少なくなったレンゲが、畑の一面に咲いていました。
宿毛市方面から向かった場合、坂本ダムを抜けてしばらく進んだところで分岐があります。
写真の原付が止まっている場所に案内板があり、「右の橋を渡って直進するとキャンプ場方面」。「左折して昇ると篠山」というイラストになっています。
案内板を見ると左折したくなるのですが、左の道は距離こそ多少短いものの、普段は林業用の作業車くらいしか通らないのか、小さな落石が多数ある、つづら折の狭路です。
多少の落石は気にせず進めるバイクならともかく、車なら直進して愛媛県側から、祓川温泉の前を抜けていく道をお勧めします。
山道をバイクでのんびり走るのは6年ぶりくらいになりますが、やはり気持ちが良いものです。
しかし、50ccの無段階変速では上り坂で失速すると、うまく再加速できないこともあるので、もう少しパワーが欲しいところ。
道が狭く車が離合できない場所も多いです。
車で走る場合の対策としては、走りながら離合できそうな場所を覚えながら走ることです。そうすれば、いざという時に焦らずバックし道を譲ることができます。
道路に並行して流れる渓流、松田川。
水が非常に綺麗でした。
フルスロットルでも30km/hしか出ない状態で、ぐねぐね坂道を登り終えると、なんとか駐車場に到着しました。
アケボノツツジのシーズンで、数日前にNHKローカルニュースでも紹介されていたこともあり、駐車場はいっぱいで誘導員の方も出ていました。
車であれば空きが出るまで少し待つか、第二駐車場まで移動するところですが、バイクなので奥にあるトイレ横に寄せて止めるよう案内されました。
篠山に登山開始
こちらが8合目、第一駐車場前の登山口です。
左手に貸し出し用の杖も置いてあるので、足に自信のない方は遠慮なく借りていきましょう。
登山道は写真のような勾配の石段を歩いていくルートで、迷うような場所はほとんどありません。
初夏の優しい日差しが、木々の隙間から差し込んできます。
新緑の時期の山歩きは良いものですね。
700mほど上ったところで、人工的な石積みの広場があります。
この場所は弘法大師により開山された、四国霊場88ヶ所の番外札所「観世音寺(大同元年・806年)」があったようです。
明治元年の神仏分離により廃寺となってしまい、現在は「観世音寺跡」として遺跡となっています。
観世音寺跡の奥にネットとゲートがあります。
山頂付近に自生する「ミヤコザサ」を鹿の食害から守るために設けられたネットのようです。
ゲートを通ったら、必ず閉めておくようにしてください。
ここからは残り300mの道のりです。
登山道の脇には苔むした木々や巨木が静かに眠っています。
山頂まで200m。
少し開けてきたような印象です。
残り100m。
山頂手前の一部はアケボノツツジの保護区として「入らずの森」と書かれ、立ち入り禁止となっています。
貴重な植生を守るためにもフェンスの中には入らないようにしましょう。
この石段を登りきると篠山神社があり、その裏手が山頂です。
こちらが山頂前の「篠山神社」。
しっかりと管理されていますね。
篠山権現は用命天皇の勅願により開山しました。平城天皇の大同年間には弘法大師が来山し、天下泰平五穀成熟と祈願したという遺跡もあります。
往古は篠山三所大権現と称していたが明治四年神社と改称しました。
こちらで参拝して神社の左手に進みましょう。
ラストスパート。
左奥に覗く桃色の花がアケボノツツジです。
やっと登頂です。
難易度は初級レベルで40分くらいの登山とはいえ、3年ほどブランクがあります。
私も身体がずいぶん鈍っているようで、少し息が切れました。
山頂は高知県と愛媛県の県境に位置しています。
三角点の横にある石には「南伊豫国境」と書かれ、裏側から見ると「北土佐国境」になっています。
少し見えにくいのですが、写真奥の白く霞んでいる付近は宇和の海です。
アケボノツツジと山上からの景色
頂上を越えて、宇和島側の斜面にはアケボノツツジが自生しています。
満開のアケボノツツジは圧巻です。
山頂で一緒になった初老の男性に伺ったのですが、篠山のアケボノツツジはかなりの老木で、年によっては花が少ないことあるようです。
貴重な植生なんですね。
頂上から奥を見ると山々が連なり、さらに左奥には宇和海が見えます。
iphoneのパノラマ機能で撮影。
空気が澄んでいる日には宇和海の向こうに九州の方まで見渡せることもあるとか。
この日の天気は快晴でしたが、残念ながら遠くの海は霞んでいて、肉眼で島影は見えない状態でした。
別の日に再訪し、望遠で撮影した画像を元にRAW現像で擬似的に霞をカットしてみました。
色味は不自然になっていますが、確かに島影が見えますね。
一度、肉眼で見てみたいものです。
篠山へのアクセス
駐車場は県道332号側にあります。
参考サイト:
今回使用した機材
記事中の写真はiphone7とオリンパスのE-M1(初代)に12-40mm F2.8PROをメインに使用しました。すべて手持ち撮影で、三脚は未使用です。
森の中での撮影には、E-M1の手振れ補正と開放F2.8が大きな武器になりますね。
まとめ
高知県と愛媛県の県境に位置する篠山で、GW頃に満開を迎えるアケボノツツジ。
周囲にも祓川温泉や南レク方面やキャンプ場など、アクセスできる観光スポットにも恵まれています。
GWに四国旅行を考えている方は、スケジュールの中に登山を組み込んでみるのも面白いかもしれません。
それでは。