こんにちは、Hiroです。
先日の12ヶ月点検時にデミオの「サービスキャンペーン」の対応を行いました。
ちなみにこの「サービスキャンペーン」についてですが、「リコール」と同じようにメーカーの無償修理(対応)なのに「リコール」と何が違うんだ?
言葉を変えて誤魔化しているだけなんじゃない?
なんて声を聞くことがあります。
実はこれ「国土交通省が定めた制度」で、それぞれに明確な違いがあるのをご存知でしたか?
今回はこの「リコール制度」について書いてみようと思います。
クルマやバイクのリコールは国土交通省が定めた制度
「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」は国土交通省が定めた制度です。
「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」ともにメーカー側の設計・製造の過程が原因でおこる不具合について、メーカーの判断によって事前に国土交通大臣に「XXXだから対応します」と届出を行い発表されます。
その後、各ディーラーや販売店が回収や修理の対応を行うことで、事故やトラブルを未然に防止していこうという点も同じです。
また、メーカー自身が発見した不具合以外にも、国土交通省がユーザーから寄せられた情報をもとに調査し、メーカーに対して指示・勧告を出す場合もあります。
国土交通省のサイトでもこのように書かれています。
国土交通省は、リコール届出の過程において、以下のような役割を担っています。
- 不具合情報の収集・分析
- メーカーのリコールへの取組状況の調査
- 取組状況が不適切であれば指導又は監査等
- 届出内容が不適切であれば改善指示
- メーカーが自主的にリコールを行わず、かつ、事故が頻発している場合には勧告・命令
では「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の違いはなんでしょう?
「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の違い
リコールとは
国土交通省が定めた法律(道路運送車両法)で、自動車の構造・装置には、安全確保や環境保全のために技術基準が決められています。
一般的に「保安基準」と呼ばれるものですが、これには最低地上高やマフラーの排気音量についても規定があります。
クルマやバイクに乗っている方で、カスタマイズが好きな方なら、何度か耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「リコール」とはこの「保安基準を満たしていない状態」または「満たしていない状態になるおそれがある状態」について、その原因が「メーカーの設計(構造や部品の欠陥など)または製作の過程(適正な方法で組みつけられていないなど)にあると認められる場合」、メーカーが保安基準に適合させるため必要な改善措置を行う対策です。
例:
燃料ポンプのパッキンが劣化しやすく、燃料漏れを起こす可能性があるので対策品に交換します。
走行中にエンジンが停止するおそれがあるため、エンジン制御コンピューターを書き換えます。
ブレーキの取り付けの方法が適切でないため、制動力が低下するおそれがあるので、適切なパーツに交換します。
など
改善対策とは
「改善対策」はリコールとは違って、保安基準には規定されていない部分で発生する問題です。
ただし、この問題が発生することで「安全の確保及び環境の保全のために看過できない状態」になる場合であり、「その原因がリコール同様にメーカーの設計(構造や部品の欠陥など)または製作の過程(適正な方法で組みつけられていないなど)にあると認められる際」メーカーなどが必要な改善措置を行う対策を「改善対策」と呼びます。
例:
パーツの加工精度が甘いため、ユーザーが怪我をするおそれがあるのでカバーを装備します。
フィルターサイズが適正でないためエンジンが故障しやすい状態になるため、対応品に交換します。
など
サービスキャンペーンとは
最後のサービスキャンペーンは「リコール」や「改善対策」に当てはまらない内容で、商品性・品質を改善するために交換や改善措置をおこなうものです。
例:バックカメラのパッキン品質が均一でなく、くもりを発生させる可能性があるので交換します。
センサーの角度が正常に取り付けられていないことがあるため、警告灯が誤作動を起こすことがあるため、再度取り付けを見直します。
など
ちなみに私が12ヶ月点検の際に行った対策も「エンジンチェックランプが誤作動で点灯する」という不具合をプログラムの書き換えで修正したという内容でした。
「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の重要度
重要度は下記のようになっています。
- リコール(安全に運行できない状態、またはそうなる可能性があるよ)
- 改善対策(基準は満たしているけど色々と危ないよ)
- サービスキャンペーン(安全上は問題ないけど、不具合あるし対応した方がいいよ)
1、2については安全にクルマを運行できなくなることもありますので、早急に対策を行う必要があります。
法律上、クルマの所有者(ユーザー)にも「自分の自動車が保安基準に適合するよう点検・整備する義務」がありますので、できるだけ速やかに対応を行うようにしてください。
ご自身や家族が加害者になってしまわないためにも、愛車に「リコール」や「改善対策」が発表された場合、できるかぎり速やかに修理、改善を受けることをおすすめします。
サービスキャンペーンについては危険はないとはいえ、何かの折にディーラーや販売店に行く予定があれば、対応しておいた方が気持ちよく愛車に乗り続けられると思います。
いかがでしたでしょうか?
メーカーも「リコール」をごまかすために「改善対策」や「サービスキャンペーン」という名称を使っているわけではないんですね。
不具合がないに越したことはないのですが、発見されたなら早急に対応していくのがメーカーやクルマを使用するユーザーの務めです。
安全なクルマの運行を行うために、必要な対策を行っていくように心がけましょう。
そうすることで、私たちユーザーだけでなく、周囲の皆さんも安心してクルマを使用することができます。
それでは楽しいカーライフを!!